2006年02月05日

ホームレスの社会経済学〜その5

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12月11日 ホームレスの社会経済学〜その1
12月12日 ホームレスの社会経済学〜その2
12月18日 ホームレスの社会経済学〜その3
 1月31日 ホームレスの社会経済学〜その4

ホームレス問題のシリーズの最終回になりますが、
思い切り長文になってしまいましたので、もうやだ〜(悲しい顔)
ホームレスに興味がない方は、今日は飛ばしてしまって下さい。


「ホームレス」支援の法律はホームレスのニーズと異質なものになっている
4年前の2002年(平成14年)8月7日に、
ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(ホームレス支援法)
が公布され
3年前の2003年(平成15年)7月には、厚生労働省による
ホームレスの自立の支援に関する基本方針(「基本方針」)
が明示されました。

これらの施策によって就業機会の確保や支援活動をする民間団体への財政援助、
「自立支援センター」や「シェルター」といった施設の建設など
国と地方自治体の役割を規定しましたが、
抜本的な解決には程遠いのが現実です。

そもそもホームレス支援法の根幹は、ホームレスを3つのタイプ、
・ 自立志向(働く意志のある者)
・ 福祉志向(福祉が必要な者)
・ 社会生活拒否志向(社会生活を拒否する者)
に分け、それぞれのタイプに応じて、
・ 「就労自立」
・ 「福祉」
・ 「社会復帰」
の対応を取るべきとしています。

政府はホームレスを「使える者」か「使えない者」なのかという観点で
分類するのが基本となっていると思われます。

ホームレス支援の中心は、
「自立支援センターを利用した施設中心の施策」であり、
そこにホームレス支援団体・当事者団体といった民間団体の活用が
盛り込まれています。

ここでは「自立の意思あるホームレス」が就労によって自立を遂げる、
というシナリオが描かれているのですが、
「施策」は失業問題を根本的に解決しようとするものではなく、
国や企業の責任を棚上げにしたところで
ホームレス当事者に再就職のための「自助努力」を強いる内容に
なっているのですから、
その「施策」でまともで安定した就労ができる人は
非常にわずかなのが現実なのです。

「多くのホームレスが自立支援センター入所を希望しているのかexclamation&question
というとそうでもなさそうです。

就労自立の可能が高い
・ 若年層
・ 野宿生活の短い層
が自立支援センター入所者の多くを占めています。

野宿生活の長い人々は、
自立支援センターの入所よりも
野宿生活の継続を選択する事が多いようです。

というのは、
12月11日に記述したように、
すでにホームレスの約6割が就労“自立”を遂げているのです。

資源ゴミ(空缶など)回収、建設日雇い、運輸日雇い等で
月額1〜5万円以下の程度の現金収入を確保するホームレスが
約5割近くを占めていて、
テントを自分の住居として立派に“自立”を遂げているというわけです。

現在の“自立”状態を放棄してまで自立支援センターに入所しても
確実に就職できる保障は全く無く、
就職できなければテント生活以前の、
何もないお先真っ暗状態に戻る可能性があるのであれば、
はたして自立支援センターにチャレンジするメリットはあるのかexclamation&question
という疑問が湧きます。

野宿生活を続ける人のニーズは、
社会福祉制度の提供するサービスに対するニーズとかみ合っていないのです。


また、路上や公園で生活しているホームレスは、
常に行政からの追い出しを受けています。

ホームレス支援等の11条では
 「(公園その他公共の用に供する施設の)適正な利用が妨げられているときは、
  (中略)当該施設の適正な利用を確保するために
  必要な措置をとるものとする」
とあり、
条文で施設管理者に排除を義務付けているところに
法律作成側の意図(悪意)が感じられます。

大阪の長居公園、西成公園、大坂城公園では、
相次いで設置された「シェルター」によって、公園のテントがつぶされ、
ホームレスを施設に一時的に、一律収容することが
主目的となっているわけです。

「追い出し」と「自立支援施策」が一体のものとして行われていること、
まず「排除ありき」が大前提であることが問題なのです。

以下にいくつか問題点を上げてみました。

現在の支援対策で「ホームレス」問題の解決には至らないので、
小泉将軍様の弱者切捨て方針では、
ホームレスは今後も増加してゆくのは間違いないでしょう。

沖縄県でも行動は鈍く、
「ホームレス対策」の具体的な計画は、これから策定する段階なのです。

もっとも、沖縄県自体が貧しい県で、金の使い方が下手クソですから、
「余ってる予算なんかないexclamation余分にあったら公務員退職金に回すさ〜」
で片付けられてしまうのがオチですから、
行動が鈍い=やる気無い度99.9%になってしまうんですね。

那覇市では3年前から健康状態の悪いホームレスの人たちに
救急箱や衣類、毛布などを配布する「緊急援護事業」を始め、
ホームレスにどうやって情報を周知させているのか不明ですが、
これまでに40人程度しか利用していないようです。

県内の他の市町村でも
本当の支援事業を早期に展開してもらいたいと思います。


ホームレス支援法の問題点
ホームレス支援対策は、自立支援センターを中心とした
「自立の意思あるホームレス」の就労支援が柱となっています。

それを補足する形で、かなりの制限付きながらも
「生活保護制度」が適用されてきました。

1.「自立の意思あるホームレス」という問題
そもそも「自立の意思」の有無を判断するのは、
いったいどこの誰なんでしょうかexclamation&question

「自立の意思」を示すには、どうしたら良いんでしょうかexclamation&question

という疑問もありますが、
「就労」は自立の基本ですから、
まずは「就労への意欲」を示して「常勤の雇用を探すこと」ことになります。

しかし、現実的に「就労」したくても
・ 高齢者
・ 障害者
・ そもそも常勤の仕事がない
等の本人の頑張りだけでは解決できない問題が山積していて、
行政はその解決策をまるで用意する気がない、
というところに問題があるのです。

このあたりは、
「働かざるもの食うべからず」という思想が
公務員に渦巻いているものと思われます。

・ 労働する意欲のある「価値ある貧民」には支援を
・ 労働する意欲のない「価値なき貧民」には懲罰を
といった道徳的・倫理的な判断基準に近いものが
潜んでいるように思われるのです。


2.移動型ホームレスの支援策をどうするのかという問題
「ホームレス支援法」第2条では、ホームレスを
「公共空間を故なく起居の場所とする者」と定義しています。

これは、テントを張って暮らす定住型ホームレスに限定して
支援の対象として取り扱い、
特定の住居を持たない移動型のホームレスに対しては配慮不足の内容です。

ホームレスの中でも、最も“弱者”なのが
「移動型のホームレス」だと思われます。

行政の「実態調査」では、
地方(痴呆?)公務員の勤務中の時間帯である平日の午前中か午後の
一定期間に目視等でホームレス数を計測していますから、
特定の住居を持たない移動型ホームレスの把握には、そもそも問題があるのです。


移動型のホームレスは、移動することを好む人もいるでしょうが、
多くはテントを張って定住することも出来ない“弱者”のはずです。

彼らはビルの下や地下街、夜の商店街、終電間際の駅などに
段ボール・毛布を持って
どこからともなく現われ、朝になるとどこかへと消えて行きます。

そんな彼らは、ホームレス生活を送る上での情報
(炊き出しの場所、支援の拠点、基本的な生活方法など)が
欠如していることが多く、
ゲルマン民族の大移動、というより「放浪」ですから
最も生存の厳しい“弱者”と言えるでしょう。

ホームレスは刑事犯罪を起こして、実刑で刑務所送りにされるほうが、
不安定な放浪生活よりも規則正しい3食付きの生活に成り得るいう
考え方も出来るのですから、
「移動型ホームレス」に対する具体的な支援策を打ち出すことが
本来必要なことではないかと思うのです。


3.ホームレス支援のアフターケアの問題
ホームレス支援は、ホームレス自身が「就労自立」を遂げれば終わる、
というものではないはずです。

仮に屋根付きの住居を確保した後でも、
・ 孤独によるアルコール依存やひきこもりを防止すること
・ 住居のある地域社会の一員として活動できるようにすること
も必要となるでしょう。

ホームレス生還者・元ホームレスを支える支援活動は、
野宿生活を送っていた時から交流のある
民間団体(NPO・ボランティア団体)が支援できれば、
一番良いと思われます。

ホームレスから生還したOBをホームレスを支援する側に回し、
野宿生活やそこからの生還の経験を活かすことが出来るようにすることも
必要だと思われます。


4.ホームレスに対する地域社会の理解の問題
ホームレスを見かけると、
・ ホームレスは怠け者であるとか
・ 好き勝手に暮らしているのだから自業自得であるとか
・ 自分とホームレスとは関係ない
とおそらく多くの人が思うはずですが、
・ なぜホームレスが生まれたのかexclamation&question
・ なぜホームレスを支援しなければならないのかexclamation&question
を時には考えてほしいのです。

現在のホームレスの中核は中高年の男性で、野宿に至った主な理由は失業です。

仕事をすることによって自立する意欲はあるのに、
身体の不調や障害があったり、
身元が確かではないことで働くにも働けない状態にあります。

家族や親族、友人との交流がなく、
孤立しているためそのサポートも受けられません。

「自立の意思があっても実際にはそれが難しい状態にある」
と言う人々が大半なのです。

ホームレス問題は、「個人的な問題」であると同時に
「社会的な要因がからみあった問題」であって、
貧困、雇用、家族にまたがった人間の生活全体に関わる大きな捉え方をしないと
解決しない問題なのではないかと思うのです。

ホームレスは仕事や家族、社会保障の関係から排除された
「社会的排除」の結果陥ってしまった「掃きだめ」状態であって、
誰もがその状態に成りうる可能性もあるのです。

生まれつきホームレスである人はいないはずですよね。

ホームレス状態にある人々と排除しあいながら
「共生」する防衛社会を作るのではなく、
ホームレス状態を防止できるような「共生社会」を
目標にするべきではないでしょうか。


5.収入源を断つ「資源ゴミ(空缶など)回収」の問題
10年前に経団連が循環型社会の構築に向けた課題
「循環型社会の構築(廃棄物対策の促進)」
を提案し、徐々に全国的に波及しつつあります。

環境問題の深刻化を踏まえて、
廃棄物対策については、資源の浪費につながる使い捨て型の経済社会を見直し、
循環型の経済社会に転換すべく、
“廃棄物”ではなく“資源”
あるいは“副産物”と位置づける発想の転換が必要だとして、
“リサイクル”を企業経営上の重要課題と位置づけ、
計画的に廃棄物削減・リサイクルに取り組むことを経団連が表明したことで、
行政、事業者、処理業者、消費者の間で
各々の責任分担が法規かされるに至ってきたのです。

しかし、ここで大きな問題が発生しています。

“リサイクル”というと、
何か環境問題に貢献して節約出来ているように思えるのですが、
実際にはそれまでの「焼却」より、
“リサイクル”の方がはるかに膨大なコストがかかってしまった事例があって、
これはこれで問題なのですが、
もう1つの大きな問題は
資源ゴミとして出された空缶を、
行政側が取り仕切るようになったこと
です。

12月12日 ホームレスの社会経済学〜その2
で記述したように、
ホームレスは廃品リサイクルの回収・現金化を
主な日銭にして生計を立てていますから、
行政が資源ゴミを取り仕切ることは、
ホームレスにとって死活問題となってしまうのです。

行政は条例を施行するなどして防止策を強化する傾向にあります。

現在の相場だと100円稼ぐためには空缶50個必要ですから、
・ 1,000円なら空缶500個
・ 2,000円なら空缶1,000個
・ 3,000円なら空缶1,500個
集めなければならないのです。

5個や10個なら誰でもその辺で拾い集められるでしょうが、
100個以上となると、相当な難儀です。

公園や道端で空缶を拾い集めるより、
資源ゴミ集積所で集めた方が効率的です。

特に大きなビルや団地から出される空缶の量は多く、
ホームレスにとっては「旨味のある」場所として
一種の利権(縄張り)争いにもなっています。

近年「循環型社会」が確立してからは、
行政が週に数回回収するようになったことで、
ホームレスがゲルマン民族の大移動のように、
移動型ホームレスを生み出す要因にもなっているのです。

自治体が空き缶の持ち去りを禁止する理由は、
1つはホームレスに対する意地悪ですが、
もう1つの理由があって、
アパッチ≠ニ呼ばれる悪質な回収業を締め出すこともあるのです。

袋の中からアルミ缶を抜いていくホームレスと違い、
金網や鍵を壊し、
容器(空き缶入れの金属製のカゴ)ごとひっくり返して
軽トラックで持ち去って行く強盗のような悪質さです。

もちろん、ホームレスでも地域住民とトラブルを起こす人がいるので、
取締りが強化される傾向にあるわけです。

「無断持ち出しは窃盗罪で警察に通報する」
といった内容の看板を集積所に掲示して、
金網で厳重に囲ったり暇な役人はパトロールをしたりしています。

そういう循環型社会の“リサイクル”運動の中で、
行政が空缶や段ボールなどの資源ゴミを取り仕切り、
片方では「ホームレス支援法」とは、一体どういう意味なのでしょうかexclamation&question


6.「排除ありき」が大前提の法律ではホームレス問題は解決どころか悪化する
今から丁度2年前の2004年2月に、
東京都は月に3千円の家賃と、
月に4万円の収入を確保できる就労を斡旋する地域生活移行事業を
打ち出しました。

これは、公園のテント暮らしの人々を住居に移行させるための事業で、
当時6億円規模の予算が計上されました。

問題は、テントを撤去した後、
その場所にはもう誰もテントを張ることが出来ないことです。

この事業は、表向きはホームレスの支援のように見えるのですが、
同時に「社会的排除」を意味しているのです。

明治35年に
日本陸軍第8師団青森歩兵第5連隊と弘前の第31連隊が
冬の八甲田山を踏破する行軍訓練に出発し、
210名中199名が亡くなるという大惨事や
太平洋戦争中、昭和18年にフィリピンのバターンで起こった
米軍捕虜を70kmも歩かせて多くの死者を出し、
指揮官は後に戦争犯罪として告発され有罪になりました。

「支援」という大義で、
一時的に収容されたホームレスは、一定期間後外に放り出されます。

ホームレスの「追い出し」は、移動型ホームレスを生み出すだけで、
根本的な解決策とはほど遠いところに問題があり、
上記のような「死の彷徨」が思い出されてしまうのです。

私はホームレス問題について、エラソーな書き方をしていますが、
実は私も最近までホームレスに対しては偏見の目で見ていたのです。もうやだ〜(悲しい顔)

そういう「自責の念」もあって、このシリーズを書いているのです。もうやだ〜(悲しい顔)

ホームレスを襲撃したり、資源ゴミをあさっているのを邪魔したりは
さすがにしませんでしたが、
・ 怠けている
・ やる気があれば生還できるのに
・ ノラ犬と同じだ
・ 関わりあわないようにしよう
という差別や偏見の目でみていたのです。もうやだ〜(悲しい顔)

さすがにNPOとかの具体的な支援活動まではしないのですが、
少なくとも偏見の目で見ることはなくなりました。

今回の大阪市での市側とホームレスの衝突を見ていて、
「テントやダンボールでの住居が合法であるかないか」
という問題よりも、
“人権”として考えると「居住権」という生き抜くための住居権利は、
困窮した人々がたとえ野宿であっても
自らの住居を確保し、生き抜いていくという権利は
認められて当然だと思うのです。

060205ネコ.jpg
7.ホームレス問題解決の糸口
「ホームレスを甘やかすな」というお叱りを受けそうですが、
以下は1つの「叩き台」として捉えてください。

・ ホームレス対策は住宅政策を優先させて、
  行政が具体的な対策案を打ち出すべき、という考え方

日本の国家自体が700兆円の借金を抱えていますから、
国が株式会社ならとうの昔に破産している状態で、
経済学者の中には「デフォルト」を論じる人も出ています。

当然地方財政も逼迫し、すでにデフォルト状態の市町村も出現しています。

小泉将軍様は中央優先・弱者切捨て方針ですから、
「生活保護」すら縮小化の方針でいることもふまえて、
あえて「住居確保を優先させるべき」という理由は、
住居の確保は生活保護受給につながり、就職の要件になる
ためだと思うからです。

しかし、住居の確保のためには保証人が必要で、
ホームレスはその保証人が確保できません。

したがって、ホームレスを支える人間関係=社会的ネットワークづくりが
問題解決のはじまりであり最終目標になるのではないか、と考えたわけです。

ホームレス対策に本気で取組むのであれば、
社会的サポート体制づくりを基本として、
住宅、就労などの具体的対策を組み合わせていく
総合的対策を取るべきだと思います。


「就労自立」を基本とするホームレス支援法のシナリオは、
就労可能な一部のホームレス支援対策にしかなりません。

高齢ホームレスや障害をもって
自立の意思があっても就労の出来ないホームレスには、
最後の砦として「生活保護」という社会的安全網が用意されているのですが、
これは
「65歳以上もしくは住居がなければ生活保護の受給が出来ない」
という違法な運用がなされているのが現状で、有名無実と化しています。

住宅の確保が出来ないホームレスたちは、
65歳以上になるまで野宿生活でしのぐ以外に方法はない、
ということなのです。

今後はホームレスが高齢化するにしたがって
(現在の平均年齢は約55歳と言われています)、
ますます福祉制度(生活保護の利用)が必要となるでしょう。

野宿生活が長期化して、それなりの“自立”を遂げているホームレスは、
自立支援センター中心の対策には乗りにくいのが現状ですが、
高齢化の進行によって、いずれ野宿をやめざるを得ない日が来るわけです。

野宿生活が長期化ホームレスが野宿生活で得た資源を生かした支援策を打ち出して、
野宿生活を中止する方策を考える必要があると思うのです。

そのためにも現行の住居の確保がなされないままに就労を求める支援方法は
是正されるべきでしょう。

まず住居の確保をした上で、
公的対策による雇用創出の必要があろうかと思います。

例えば、
・ 資源ゴミの回収
・ 街路樹の剪定作業
・ 公園や道路、公共施設の清掃作業
・ 雪国では雪下ろし・雪かき作業
などは、
市町村行政の公的対策で雇用創出の道はあるのではないかと思うのです。

支援団体やNPOが予算の半額で入札すれば、落札可能ですから、
行政のムダな予算も圧縮できる可能性もあります。

また、高齢ホームレスや障害をもつホームレスには、
生活保護を受けたうえで仕事をする「半福祉・半就労」といった、
就労意欲を生かした支援のあり方や生活保護制度の適正な運用も求められます。

ホームレスとは、
 「一時的にホームレスの状態に甘んじてしまったが、
  人間としての“誇り”があって、
  いつか普通の暮らしに戻りたいと願っている人たち」
と定義したいと私は思っています。


ホームレスのシリーズは、とりあえず今回で終了します。

何か社会的に大きな変化や事件があったときに、また触れてみたいと思います。

ここまでご覧になられた人は、なかなか忍耐強いですね。
私もシリーズの最終回がこんなに長くなるとは思いませんでした。もうやだ〜(悲しい顔)


posted by RIUさん at 12:28| Comment(0) | TrackBack(1) | ホームレスの社会経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月31日

ホームレスの社会経済学〜その4

12月11日 ホームレスの社会経済学〜その1
12月12日 ホームレスの社会経済学〜その2
12月18日 ホームレスの社会経済学〜その3

東京の山谷、大阪の釜が崎、横浜の寿町は日本の3大ドヤ街ですが、
今やホームレスは全国的に散在し、
全国の自治体から「厄介者」扱いされています。

昨日1月30日(月曜)朝、大阪市で、
市側がホームレスのテント強制撤去し、
市職員ともみ合いになるというバトルが展開されました。

大阪市というと、
・ グリコやかに道楽の看板
・ 阪神タイガースが優勝すると、汚い道頓堀川に飛び込むあの町
・ 税金をムダ遣いする自治体
・ ヤクザの町
・ 吉本興業のお笑いが選挙に出馬する町
として有名ですよね。

事の発端は、大阪市で、誰が期待しているのかわからない企画で、
・ 3月から大阪城公園で「全国都市緑化フェア」
・ 5月に靭公園で「世界バラ会議」
が開催される予定で、
大阪市は靭(うつぼ)公園(同市西区)と大阪城公園(中央区)で
違法に建てられたホームレスのテントを
昨年10月以降撤去を求めていたのですが、
これに関連して大阪市内の公園で野宿生活するホームレスの男性が
大阪市北区長を相手に
「公園を住所にした転居届の不受理処分取り消しを求めた訴訟(大阪地裁)」で、
1月27日に何と勝訴してしまったのでした。

これは、
「公園を住所と認めて住民登録が出来る」
とした画期的な判決なんです。

もちろん、敗訴した大阪市側は
「冗談は顔だけにしとけexclamationちっ(怒った顔)
とばかりに、昨日30日に大阪高裁に控訴しました。

昨日のバトルは、こういう経緯で焦りを感じた大阪市側が、
・ 「公園を住所と認めて住民登録が出来る」という判決には、
  「一時的な居所であって『生活の本拠』とは言いがたいし、
   判決でも“占有権”は認めていないので関係ない」、
   という大阪市側の自分勝手な判断
・ 「公園整備の妨げになっている」として、
   行政代執行法に基づいた、これまた大阪市側の勝手な都合の判断
によって、大阪市側がホームレスのテントの強制撤去を開始したのでした。

これに対し、ホームレスや支援団体など70人が
大阪市職員ともみ合いになるなど強く反発して、
ホームレス側1人が逮捕されてしまったんですね。

大阪市野宿生活者(ホームレス)の自立支援等に関する実施計画
(平成16年度〜平成20年度)−PDF資料


上記は、4年前の2002年(平成14年)8月7日に、
ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(ホームレス支援法)
が公布され、
3年前の2003年(平成15年)7月に、厚生労働省による
ホームレスの自立の支援に関する基本方針(「基本方針」)
が明示されたことを受けて、
大阪市が嫌々作成した、
一見ホームレスを救済・支援するようなことが書かれた資料ですが、
実際には昨日のような「一方的排除」が根幹にあるのです。

これは、大阪市に限らず、全国どこの自治体でも同様で、
「ホームレス支援法」を制定した国にも言えることなのです。

要するに、「ホームレス支援法」の目的とは簡単に言えば、
・ ホームレスは「厄介者」という考え方で
・ 「支援」という名目で、「強制収容・隔離」
・ 一定期間「支援」するフリをして、時間切れで「排除」する
ことにあるのは明らかです。


自治体の「偏見」
「ホームレス」というと、
一般に「汚い」「臭い」「怖い」「怠け者」「不審者」という
イメージを持っている人も多いでしょう。

彼らは好き好んで“公園デビュー”したのではなく、
出口の見えない経済停滞の中で倒産に追い込まれたり、
解雇・リストラなどで生活の糧を失い、一家離散した人もいますし、
病気などで家賃が払えず、やむなく路上生活に追い込まれたり、
様々な理由がある「弱者」なのです。

「構造改革なくして景気回復なし」は小泉将軍様のキャッチフレーズですが、
彼が構造改革を推進するにあたって、
「地方と弱者の切り捨て」が浮き彫りにされてきました。

東京から最も遠い地方・沖縄にとっては、
普天間基地の移設も含めて“改悪”となっています。

自殺者は5年連続で「3万人」を超えていて、
その動機は「生活苦」が最も多いのです。

自殺にまでは至らなかったものの、生活基盤を失い、
「ホームレス」になる人が増えているということでしょう。

自治体からすると、
・ 住民税は払わない
・ 国民健康保険料も払わない
・ 野良イヌのように徘徊し
・ 「不審者」として、いつ事件を起こすかもわからない
という、完全な“厄介者”なんですよね。

自治体で働く地方公務員の給料は税金なのですが、彼らは
「出来ない理由」や「“ムダ遣い”がいかに正当性があるか」を
述べさせると一流なのですが、たまには
・ 「使いきり予算制」を止める動きをするとか
・ 公共事業の談合を認知しているとか
・ ムダな使いみちを見直すとか
を考えてもらえれば、社会環境がもう少し良くなるのに、
「予算がない」ことはないと思うのですが。

次回、「ホームレス支援の法律」と「支援法の問題点」を書いて、
このシリーズはひとまず終了にしようと思います。

posted by RIUさん at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ホームレスの社会経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月18日

ホームレスの社会経済学〜その3

12月11日 ホームレスの社会経済学〜その1
12月12日 ホームレスの社会経済学〜その2

幼児の“公園デビュー”は、
言わば「人間社会への仲間入り」ですが、
大人になってからの“公園デビュー”は、
「非人間社会への仲間入り」になってしまうのです。

「ホームレス」の定義
「ホームレス」とはどのような人々を指す名称なのでしょうか。

一般的な「ホームレス」の他に、
・ 野宿生活者
・ 野宿者
・ 路上生活者
・ 浮浪者
など、様々な言い方がありますよね。

3年前の2002年(平成14年)8月7日に、聞き慣れない
「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(ホームレス支援法)」
が制定されたのですが、
この第2条では
 「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を
  故なく起居の場所として日常生活を営んでいる者」
を「ホームレス」と定義したのです。

日本の「ホームレス」は
日本人の単身男性が圧倒的に大多数を占めていますが、
現在、
・ 女性「ホームレス」
・ 家族「ホームレス」
・ 外国「人ホームレス」
も徐々に増加傾向にあり、
今や「ホームレスの多様化」の様相を呈しつつあるのです。


イギリスの「ホームレス」の定義の方が優れている
3年前に制定された「ホームレス支援法」による
日本の「ホームレス」の定義は、
欧米のそれと比較すると範囲が狭いようです。

イギリスの場合は、
・ 屋根なし(野宿者)
・ 家なし(ホテルやシェルター住まい)
・ 不安定居住者
・ 劣悪な住宅環境に住む人
・ 不本意な長期間住宅の共有する人
を、総称して「ホームレス」と呼び、
「ホームレス」という言葉の指す範囲が
日本と比較して広いことが分かります。

イギリスの基準に照らし合わせると、
日本は「屋根なし(野宿者)」だけを
「ホームレス」と定義しているんですね。

日本では「家なし」や、「不安定な住居の人々」の問題は
最初から省かれて論議されていて、
“公園デビュー”してしまった後
「さぁ、どうするかexclamation&question」という論法なのです。

イギリスの定義のような“弱者”は、
いつでもホームレス状態に陥る可能性が高い、
言わば“「ホームレス」予備軍”的存在です。

極論になりますが、
日本では日雇い労働者だけでなく
派遣労働者やフリーターなど「不安定雇用の人々」は失業状態になれば、
また、長期間に渡る“ひきこもり”の人々は、
彼らの生活や住居を支える“親”が万一いなくなれば、
ホームレス状態に陥る可能性も十分考えられると思うのです。

そうだとすれば、「ホームレス」問題というのは、
単純に“公園デビュー”してしまった人たちだけを
「どうするかexclamation&question」というだけに留まらず、
実は「もっと根が深い問題なのかもしれない」
ということに気づくはずです。

「ホームレス」は、
「今はホームレスの状態に甘んじてはいるものの、
普通の生活に戻りたいという気持ちと、
懸命に生きる努力をしている弱者たち」
なのです。


昔の身分制度について考える
江戸時代の身分制度を表現する言葉として
「士農工商穢多(えた)非人」
という言葉が使われますが、
「商人」の下に「穢多」、「非人」と呼ばれた
最下層の人びとがいました。

・ 穢多(えた)
  鎌倉末期の文献から登場する“身分”で、
  初めは寺社の雑役や死んだ牛馬の処理に携わる職業を
  指していたようですが、
  後に皮革産業や刑吏に携わる人々の身分を
  指すようになったようです。
  そのため「かわた」とも呼ばれて、
  室町時代初期の文献では「かわた」が登場します。
  また牛馬の皮剥ぎや解体の仕事が
  「残酷で汚らわしい」との見方が民間にも広がっていたので、
  「穢多(えた)」は汚らわしい人として扱われていました。

・ 非人
  読んだそのままの意味で「人にあらず」ということですが、
  元々は仏教に関わる言葉で
  「人でないものが人の姿形をかりて現れたもの」
  の意味でしたが、
  「罪人・世捨て人・乞食」など当時の社会の最下層民を指す言葉として
  平安時代に普及したようです。
  「穢多(えた)」同様に雑務に付く人びとや
  乞食、関西では治安の維持、刑の執行に携わる人々として組織化され、
  「非人」は「穢多(えた)」より身分が低いとされていたようです。

「穢多(えた)・非人」という最下層の身分の人々は
寺社の境内や墓場、町村のはずれに住み、
関西では「穢多(えた)村」と呼ばれる村落(部落)が
あちこちに形成されました。

宗教は真言宗や浄土真宗本願寺派等々に限定され、
基本的に信教の自由はなかったようです。

「士農工商」という区分けもはっきりしたものではなく、
武士が浪人となって商人化した人もいたようですし、
公家、僧侶、神官、医師など
「士農工商」に属さない身分が存在していました。


明治時代以降の差別用語
・ 非国民
  「右手で箸を持てない人」や「NHK放送受信料を支払わない人」、
  「税金を払わない人」に“非国民”と言う人がいますが、
  日中戦争以降、国策に積極的に協力しない人物、
  あるいはそう見なされた人物に対して浴びせられた
  侮蔑(けなし)的な差別用語なんですね。
  私は昔から「NHK放送受信料を支払わない」ので、
  かつてNHK職員から“非国民”と言われたことを思い出しました。もうやだ〜(悲しい顔)

・ 国賊
  国家に害を与える人のことを言いますから、
  耐震強度偽装事件の関連メンバーは犯罪者でもあり
  “国賊”ということにもなりますね。
  ヒューザーの小嶋社長が自ら言った“オジャマモン”は、
  日本にとっての「お邪魔者」「鼻つまみ者」という意味の
  ブラックジョークだったのでしょうかexclamation&question
  にしてもヤツはどこに雲隠れしたのでしょうかexclamation&question
  自家用飛行機で高飛びされないように、
  部品のネジを2〜3本、抜いた方が良さそうです。
  ヤツが出ない「国会喚問」は、
  「クリープを入れないコーヒー」のようでしたね。

・ アカ
  大正デモクラシー以降「共産主義者」や「社会主義者」、
  「左翼」のことを指す言い方で、
  大正時代を代表する画家竹久夢二が
  社会運動家として弾圧を受けたり、
  警察で拷問を受けて重症を負ったことは有名ですよね。


地域住民と「ホームレス」の共存は可能か?
ホームレスの多い地域は、
かつての日雇い労働者市場のメッカとして、
主に下記に集中していました。

・ 東京都台東区山谷地区
・ 大阪府大阪市西成区釜ヶ崎(通称:あいりん地区)
・ 名古屋市中村区笹島地区
・ 東京新宿等の大都心

最近は、上記の特定地域だけではなく、
都市郊外地域や地方都市への拡散分散化傾向にあるようです。

「ホームレス」の集中する地域社会に住居を持ち定住する人々からすれば、
「ホームレス」は、「安全」な社会環境を侵害して、
公共空間を不法に占拠し、
悪臭や騒音がし、道路や公園を散らかしたり、
いつ事件を起こすかもしれない存在なんですね。

自治体は、当然の如く厄介な「ホームレス」を
公共空間から排除することを目標にしてしまいます。

「ホームレス」は人権が疎外された状態にある一方で、
公共空間を利用したいという地域社会の人々のニーズを
侵害している存在でもあり、
この辺りの“調整”が「ホームレス」対策の糸口かもしれません。

「法律」や自治体については、次回書きたいと思います。
posted by RIUさん at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ホームレスの社会経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月12日

ホームレスの社会経済学〜その2

12月11日 ホームレスの社会経済学〜その1

賢い忠犬.jpg

東京都の上野公園
東京の上野公園は日本で最初に出来た公園で、
東京を代表する美術館、博物館も並んでいますが、
一方で、ここはホームレスが多いことでも有名です。

以前は「イラン人」に占拠され、
「ホームレス」は居づらくなって
他に出て行った時期もありましたね。

偽造テレホンカード(カードの裏にアルミホイルを貼り付けて再生させ、
1000円分を100円で売っていましたね、
私もずいぶん買いました)だけでなく、
最後の方では「麻薬」まで売ったりしていたようです。

いつの間にか「イラン人」がいなくなったと思ったら、
上野公園は「オカマの殿堂」として有名になり、
男性1人で夜の1人歩きは危険な場所にもなりましたね。

上野公園の中でも、東京藝大の旧奏楽堂や東京都美術館のあたりは、
青いビニールテント群が集中する「公園内の住宅街」となっていて、
西部劇に出てくるインディアン居住区をイメージするのは
私だけでしょうかexclamation&question

まるで森の中のちょっとしたキャンプ場のような趣ともなっていて、
暗黙に認知される限界のホームレス居住地となっているのです。

1964年(昭和39年)に井沢八郎(女優・工藤夕貴の父)が
「ああ上野駅」を歌った頃の上野は、
東北地方から上京する出稼ぎ青少年のメッカで、
ローカル的なイメージでしたが、
「ホームレス」の世界では、上野公園は一種のステイタスがあるようで、
「上野にいた」というと尊敬されるらしいです。

上野公園に住む人が戦後の混乱期から絶えなかったという
歴史的背景にあることや、木陰で哲学書を読むなど
文化的・知的な生活を送るホームレスもいるといった住民層の質の厚さが
ステイタス≠ノなるようです。

「ホームレス」による飼い猫の姿もよく見かけ、
珍しい女性の住民もいて、
数年前には、このテント村で赤ん坊が生まれたという話もありましたね。

秋になると公園内で拾った銀杏(ぎんなん)を売る人もいますが、
どこかホームレス初心者には敷居が高い
「田園調布や成城」,「関西の芦屋」と同等の聖域なのです。


「ホームレス」の生業
「ホームレス」の多くは下記のような様々な仕事をしています。
・ 廃品リサイクルの回収(空缶・ダンボール等)
・ 自販機や公衆電話などのつり銭口
・ 駅のロッカーや自販機周辺に落ちている小銭の回収
・ 電話BOXに入った人の置忘れを頂戴する
・ 繁華街でのサンドイッチマン
・ 新刊の雑誌・週刊誌集め
・ 「行列」のアルバイト
・ 青テント張り
・ 建設日雇い


廃品リサイクル回収の実態
1.アルミ缶
・ 昨年度のアルミ消費量は、約30万3千トン。
・ 回収は、約26万1千トン(86%)
回収できない残りは、他のゴミと一緒に焼却や埋め立てされています。

それでも平成2年度の回収は、わずか7千トンでしたから、
14年間で37倍にもなっているのです。

・ アルミ缶の空缶の重さ
  アルミ350ml缶−約20g
  アルミ500ml缶−約30g
  アルミ750ml缶−約40g

・ アルミ350ml缶の空缶をつぶして、
  45リットルゴミ袋一杯に詰めると、
  約100個入り(約2kg)、
  これを廃品回収問屋に持ち込むと、
  約200円で買い取ってもらえます。
  つまり、現在の相場では1kg当たり約100円ということです。

・ 沖縄でも、自転車で空缶を運んでいる老人を見かけますが、
  自転車自体が廃品ということもあって、
  よくチェーンが外れたりしています。
  45リットルゴミ袋一杯に詰め込んだ空缶は、
  重量こそ大したことはないのですが、
  なにしろかさばるので、3袋を運ぶのが限界のようです。
  ということは、約6s=約600円にしかならないので、
  1日に2〜3往復することになるのです。
  ゴミ袋のかさばりによるバランスの問題なのか、
  自転車を手押しで荷車状態にしているのをよく見かけます。

2.古紙
・ 昨年度の紙消費量は、約3,089万1千トン。
・ 古紙回収は、約2116トン(68.5%)
  1リットル入り牛乳パック30枚で、
  トイレットペーパー5個が作り出せるようです。

・ 平成17年11月現在の古紙相場
  模造紙   約15円/s
  古新聞   約10円/s
  古雑誌   約 8円/s
  段ボール  約 9.5円/s

・ リヤカーに段ボールを満載すると、
  約150〜200sと言われていますから、
  廃品回収問屋に持ち込むと、
  約1400〜1900円ということになります。
  リヤカーに段ボールを満載するには、
  10km前後の移動が必要で重労働になりますし、
  リヤカーを借りるのに1日500円かかり、
  狭い車道では自動車やトラックに引っ掛けられたりする危険もあり、
  段ボール回収は以前ほど見かけなくなっています。

自販機や公衆電話などを循環する仕事
特定のエリアの自販機や公衆電話などの「つり銭口」に
指を入れて移動する人がいます。

駅の構内や電話BOXで公衆電話を使用中に、
いきなり無表情のおっさんが現われて、
「つり銭口」に指を入れられた経験はないでしょうかexclamation&question

今度は何食わぬ顔で隣の公衆電話の「つり銭口」に指を入れて歩くので、
「ああいうビジネスがあるのか」
と感心したことがあり、話を聞いたことがあります。

なんと自販機や公衆電話の「5〜10台に1台」には
つり銭が取り忘れてあり、
1日に1,000円くらいにはなるのだそうです。
やりたいexclamation&question

でも問題なのは、“縄張り”があって、
これを知らない新人の乱入で、トラブルになることが多いそうです。

「ルール」を守るために、時には“リンチ”事件もあるそうです。がく〜(落胆した顔)


電話BOXに入った人の置忘れを頂戴するビジネス
複数個並んだ電話BOXのそばで待機していて、
電話BOXに入った人の置忘れを頂戴するビジネスです。

電話BOXから出た人が置忘れをした場合、
いち早くその電話BOXに入り、忘れ物を頂戴するビジネスで、
置き引きではないのですが、まあ同じようなものです。

以前は、大枚入り財布の忘れ物などがあったようですが、
携帯電話の普及と共に、電話BOXを利用する人が減少し、
ビジネスとしての面白みはなくなりつつあるようです。


繁華街でのサンドイッチマン
「ロイド眼鏡に 燕尾(えんび)服〜るんるん」で始まる
鶴田浩二の「街のサンドイッチマン」がヒットしたのは
1953年(昭和28年)で、
昭和の高度成長期の終焉と共に、
サンドイッチマンは姿を消したかに思いましたが、
まだ繁華街では風俗店やサラ金の看板を持っている
サンドイッチマンがいるんですね。

レトロな感じで、けっこう目立ちます。

彼らに話を聞くと、日給3,000円らしいです。

確かに楽な仕事かもしれませんが、
・ 誰にでも出来ること
・ やりたい人はいくらでもいること
から足元を見られ、労働基準法などは通用しない世界のようです。


新刊の雑誌・週刊誌集め
新橋駅や新宿駅近辺で新刊の週刊誌や雑誌を1冊100〜150円で
路上販売しているのを買った経験がある人も多いのではないでしょうか。

これは、その筋系が関わっているのですが、
「ホームレス」に鉄道各駅に配置し、入場券を渡し駅構内に入れ、
1日中駅構内のゴミ箱や電車内の網棚から新刊の週刊誌や雑誌を集めさせ、
特定の時間に駅改札口で受け渡しをさせ、
美品だけを1冊10円で買い上げる、というビジネスなんですね。

「1冊10円で買上げ、100円で売るなんてもうやだ〜(悲しい顔)」と思うでしょうが、
1冊10円で買い上げても立っても、
1日で最低2,000円にはなるそうですから驚きです。

これにも“縄張り”があり、
何年か前に東京の山手線駅構内で「ホームレス」同士による
殺人事件がありました。

ネクタイを締めた親父が
ゴミ箱から週刊誌を拾い上げるのは大丈夫でしょうが、
ラフな服装でゴミ箱から拾い上げたら、
「ホームレス」からライバルと間違われて、
トラブルになる可能性がありますから、
せいぜい網棚の上にある雑誌や新聞だけにして下さい。


「行列」のアルバイト
以前は東京ドームや甲子園の指定席券を買うのに、
ダフ屋が「ホームレス」に並ばせてチケットを買い集めていました。

今ではほとんどのチケットが
インターネットやチケットぴあなどで予約可能になりましたが、
一部では並ばないと買えないチケットもあり、
そういうのに「ホームレス」が
前夜から順番待ちのアルバイトが利用されます。

人気飲食店での行列でもそうですし、
中には新規開店や新装開店の「さくら」として
「ホームレス」が行列に利用されることがあるようです。

新装・新規開店での家電店やパチンコ屋の行列にも
「順番取り」で利用されます。

このアルバイトは並ぶ時間にもよりますが、
事前交渉1,000円〜2,000円で後払いのようです。
前払いなら逃げられてしまいますからね。


青テント張り
上野公園や墨田公園などで、青シートを巧みに折り、
枝にヒモを通して、簡易テントとして作り上げるビジネスで、
1張り5,000円取られるようです。

節約して自分でやろうと思っても、“縄張り”があって、
好き勝手の所にはテントを張れないのだそうです。

「ホームレス」の世界は、
“縄張り”だけの単純な「弱肉強食の世界」ではなく、
「ルール」や「掟」があるようです。

そういえば「ホームレス」は一般人には
事件を起こしそうで起こさないですよね。


建設日雇い
東京では「山谷(さんや)」、大阪だと「あいりん地区」で、
手配師が「請負業」として労働者をかき集めている、
主に建設労働者の日雇いビジネスです。

これは、その筋系の仕事で、
何人もが間に入り、ピンはねされてしまうんですよね。

流れとしては、
・ 求人先の必要とする日雇い作業者を
  元請けが手配師に指示する
  (作業現場・作業時間・作業内容・必要人数など、例えば20人)

・ 手配師が日雇い労働者(20人)をかき集めて、
  求人先の作業現場にトラックやバンで乗り付ける
  この場合、年齢的に若い人が優先される

・ 求人先から元請けに報酬(例えば80万)が支払われる

・ 元請が手配師に報酬(例えば40万)を支払う

・ 手配師が日雇い労働者に報酬
  (例えば1人8千円×20人=16万円)を支払う

建設業界は建設ラッシュで忙しいようですが、
ヒューザーに象徴されるように、
全般的に建設コストが安くなっていて、
同時に公共事業が減少していることで、
建設業者の倒産が増加しています。

そのため、建設日雇いの仕事があっても、
工事単価が安いことから、
労働報酬も削られ、日給7,000〜8,000円のようです。
平成元年のバブルの頃は、日給2万円くらいでしたよね。

次回は、「ホームレス」への自治体の対応などについて書きたいと思います。

posted by RIUさん at 21:31| Comment(0) | TrackBack(1) | ホームレスの社会経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月11日

ホームレスの社会経済学〜その1

「ホームレス」とはホームページを持たない人ではありません。

もはや見慣れてしまった感のある“家”を失った、
あの「ホームレス(路上生活者)」のことです。

テント村.jpg

ふだん何気なく「ホームレス」を見ても
「別世界の人たち」だと思っていましたが、
もしかしたら私の知人が“仲間入り”した可能性があり、
厳冬期を迎え関心を持つようになりました。

その知人も「離婚」「失業」という
「ホームレスの必要十分条件」を満たしていました。

彼は当初タクシー会社の社宅に入ることを考えたのですが、
「4人相部屋」ということが気に入らないようで
「社宅での個室」をあてがってもらえる就職先を探していたのです。

一般企業で、「採用後直ちに社宅に入居させる」というのは“異例”で、
水商売やタクシー、地方での採用など特殊な場合に限定されるのです。

そういう状況を知って見放すのも可哀相なので、
沖縄で就職活動をするように、カミさんの許可を得て
我が家の1部屋を“提供”したことがあるのですが、
彼は1ヶ月も持たずに
「こんな所にいてもしょうがない」
「監獄のようだ」
と言って、あてもなく東京に出て行ってしまったのです。

彼は童話でいう「キリギリス」的な生き方なので、
仮に年末ジャンボ宝くじで3億円が当たっても、
散財癖で数年で無くなってしまうかもしれません。

一度「ホームレス」になると、
一般の生活環境に“生還”するのが、極めて難しくなります。

ふだん当たり前のように生活している
「屋根付きの家+回線電話」から一旦外れてしまうと、
就職活動をする上に於いて、
「連絡先がない」という問題に直面するのです。

履歴書には氏名・生年月日・年齢・住所・電話番号・職歴・経歴など
様々な項目を書きますが、
“連絡先”や“自宅電話”があやふやになると、
ふつうはそれだけで「不採用」にされてしまい、
まず通常の就業の道が閉ざされてしまうのです。

「生きる」という観点からすれば、水・トイレは公園にあるし、
食べものも飽食の時代なので、
コンビニやファーストフード店の賞味期限切れ食品を始め、
飲食店などの残飯等で何とかなっているのです。
その証拠に、ホームレスの死者は
「餓死」より病気や寒さでの方が多いのです。

不況に伴う失業、リストラなどにより
全国的にホームレスが増加傾向にあり、
厚生労働省が2年前に行った調査によると、
平成15年1月末のホームレスの数は全国で2万5,296人でした。

前年比1,206人の増加ですが、この調査は正確ではないのです。

地方(痴呆?)公務員としての就業時間である平日の日中に、担当者が
・ 公園
・ 河川敷
・ 道路
・ 駅舎
・ その他施設
など、生活している場所(=寝ぐら)を中心に(アバウトで)調べたので、
実際には活動中で不在の「ホームレス」も多く、
「実数は2〜3割は多い」と言われていますから、
2年前で全国に約3万人はいたことになります。

調査から2年経った現在では、もっと増えていることでしょう。

「3万人」という数字は、
・1つの町村人口
・ 平成15年2月1日現在での養護施設児が3万416人
・ 毎年「乳がん」「くも膜下出血と脳腫瘍」「結核」「食中毒」
にかかる患者数
・ 「はりきゅう師」資格登録者数
・ 「社会保険労務士」資格登録者数
・ 不法入国し潜伏している外国人
・ 「横浜スタジアム」「坊ちゃんスタジアム(松山市)」の収容人員
に匹敵し、見過ごせない社会現象になっているのです。

市町村の多くは「保護・支援」より
“厄介者”として「締め出し」の意向でいるようです。


平成15年1月末のホームレスの調査結果
・ 全国のホームレスの数 2万5,296人

・ ホームレスが生活している場所
公園  40.8%
河川敷  23.3%
道路  17.2%
駅舎  5.0%
その他施設 13.7%

・ホームレスの平均年齢 55.9歳
「55〜59才」が 23.4%
「50〜54才」が 22.0%
「60〜64才」が 20.3%

・路上生活の形態
生活している場所が定まっている者が84.1%

・直近のホームレスになってからの期間は、
「1年未満」 30.7%
「1年以上3年未満」25.6%
「3年以上5年未満」19.7%
「5年以上」 24.0%
5年未満が全体の76%を占めています。

・ホームレスの64.7%が何らかの仕事をしており、
その主な内訳は「廃品回収」が73.3%。

・平均的な収入月額は、、
「1万円以上3万円未満」35.2%
「3万円以上5万円未満」18.9%

・路上生活の直前の職業
建設関係の仕事 55.2%
製造業関係の仕事 10.5%

・路上生活までの雇用形態は、
  「常勤職員・従業員(正社員)」39.8%
  「日雇」が36.1%

・路上生活に至った理由
  「仕事が減った」35.6%
  「倒産・失業」 32.9%
  「病気・けが・高齢で仕事ができなくなった」18.8%

・健康状態身体の不調を訴えている者47.4%で、
 このうち治療等を受けていない者が68.4%

・福祉制度等の利用状況
  これまでに福祉事務所へ相談に行ったことのある者33.1%
  緊急的な一時宿泊所であるシェルターの利用を希望する者38.7%
  自立支援センターの利用を希望する者38.9%
  これまでに生活保護を受給したことのある者24.5%

・これまでに何らかの支援を受けたことのある者が全体の72.9%であり、
 その主な内容は、
  「炊き出し」    62.7%、
  「衣類や毛布の配布」56.5%
となっています。


平成15年1月末 都道府県別のホームレスの数ランキング
(カッコ内は、平成14年の人数、増減)
第1位 大阪府
 男性4,565人、女性104人、不明3,088人、合計7,757人
 (9,462人、△1,705人)
第2位 東京都
 男性6,174人、女性187人、不明0人、合計6,361人
 (5,712人、+649人)
第3位 愛知県
 男性1,984人、女性78人、不明59人、合計2,121人
 (1,714人、+407人)
第4位 神奈川県
 男性1,782人、女性37人、不明109人、合計1,928人
 (2,032人、△104人)
第5位 福岡県
 男性1,024人、女性81人、不明82人、合計1,187人
 (670人、+517人)
第6位 兵庫県
 男性716人、女性34人、不明197人、合計947人
 (678人、+269人)
第7位 埼玉県
 男性735人、女性25人、不明69人、合計829人
 (627人、+202人)
第8位 千葉県
 男性610人、女性25人、不明33人、合計668人
 (594人、+74人)
第9位 京都府
 男性580人、女性20人、不明60人、合計660人
 (510人、+150人)
第10位 静岡県
 男性393人、女性33人、不明39人、合計465人
 (369人、+96人)
第11位 広島県
 男性221人、女性10人、不明0人、合計231人
 (271人、△40人)
第12位 宮城県
 男性208人、女性11人、不明3人、合計222人
 (144人、+78人)
第13位 沖縄県
 男性130人、女性7人、不明21人、合計158人
 (122人、+36人)
第14位 北海道
 男性112人、女性7人、不明23人、合計142人
 (80人、+62人)
第15位 栃木県
 男性126人、女性5人、不明3人、合計134人
 (120人、+14人)
第16位 茨城県
 男性115人、女性12人、不明3人、合計130人
 (73人、+57人)
第17位 熊本県
 男性115人、女性9人、不明0人、合計124人
 (36人、+88人)
第18位 和歌山県
 男性80人、女性9人、不明1人、合計90人
 (51人、+39人)
第19位 群馬県
 男性81人、女性3人、不明3人、合計87人
 (75人、+12人)
第20位 岐阜県
 男性59人、女性5人、不明22人、合計86人
 (28人、+58人)
第21位 愛媛県
 男性36人、女性5人、不明44人、合計85人
 (114人、△29人)
第22位 鹿児島県
男 性71人、女性3人、不明6人、合計80人
 (64人、+16人)
第23位 新潟県
 男性70人、女性4人、不明0人、合計74人
 (64人、+10人)
第24位 岡山県
 男性58人、女性3人、不明4人、合計65人
 (22人、+43人)
第25位 滋賀県
 男性57人、女性0人、不明0人、合計57人
 (20人、+37人)
第26位 山梨県
 男性46人、女性0人、不明5人、合計51人
 (28人、+23人)
第27位 香川県
 男性42人、女性4人、不明0人、合計46人
 (95人、△49人)
第27位 三重県
 男性39人、女性7人、不明0人、合計46人
 (34人、+12人)
第29位 福島県
 男性39人、女性0人、不明4人、合計43人
 (15人、+28人)
第30位 長崎県
 男性41人、女性0人、不明0人、合計41人
 (34人、+7人)
第30位 佐賀県
 男性38人、女性3人、不明0人、合計41人
 (23人、+18人)
第32位 大分県
 男性34人、女性5人、不明0人、合計39人
 (24人、+15人)
第33位 長野県
 男性35人、女性1人、不明1人、合計37人
 (34人、+3人)
第34位 山口県
 男性30人、女性2人、不明1人、合計33人
 (12人、+21人)
第35位 福井県
 男性24人、女性0人、不明0人、合計24人
 (10人、+14人)
第35位 山形県
 男性20人、女性3人、不明1人、合計24人
 (8人、+16人)
第35位 富山県
 男性22人、女性1人、不明1人、合計24人
 (1人、+23人)
第38位 高知県
 男性22人、女性1人、不明0人、合計23人
 (3人、+20人)
第39位 石川県
 男性22人、女性0人、不明0人、合計22人
 (56人、△34人)
第39位 宮崎県
 男性16人、女性2人、不明4人、合計22人
 (29人、△7人)
第41位 岩手県
男性16人、女性2人、不明0人、合計18人
 (6人、+12人)
 第42位 青森県
 男性16人、女性0人、不明0人、合計16人
 (3人、+13人)
第43位 奈良県
 男性14人、女性0人、不明0人、合計14人
 (4人、+10人)
第43位 徳島県
 男性14人、女性0人、不明0人、合計14人
 (1人、+13人)
第45位 鳥取県
 男性12人、女性1人、不明0人、合計13人
 (11人、+2人)
第45位 秋田県
 男性13人、女性0人、不明0人、合計13人
 (7人、+6人)
第47位 島根県
 男性4人、女性0人、不明0人、合計4人
 (0人、+4人)
平成15年1月末の全国合計
男性2万661人、女性749人、不明3,886人、
合計2万5,296人(前年2万4,090人、前年比+1,206人)

ホームレスの多い市区BEST8(平成15年1月末)
第1位 大阪市    6,603人
第2位 東京都23区 5,927人
第3位 名古屋市   1,788人
第4位 川崎市      829人
第5位 京都市      624人
第6位 福岡市      607人
第7位 横浜市      470人
第8位 北九州市     421人

やはり都市部に集中しています。

沖縄県の「ホームレス」158人は、
亜熱帯気候の恩恵で着る物が薄着でOKですし、
コンビニやファーストフード店も多く、
農地では夏は果樹、冬は野菜が豊富で
“あびる的”調達は随時可能ですから、
本土に比較して生活しやすいはずです。

「158人」という数字が多いか少ないかより、
沖縄が九州と陸続きだったら、もっと人数的には多いはずです。

次回は、「ホームレス」の生業を中心に書きたいと思います。

posted by RIUさん at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ホームレスの社会経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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