11月14日 その時歴史が動いた〜その2「この男、凶暴につき」
1.主人公
布施 博



二枚目ではありませんが、熱血漢と正義感が強く、
しかも誠実でドジな役回りで、
ひところテレビドラマの主役をしていました。
酒に飲まれるタイプで、
劇団員への度重なる暴力は、昔からウワサされていました。
2.その時
1998年(平成10年)11月
3.出来事
・ 1998年(平成10年)11月、
東京・新宿3丁目の串焼き屋で、
布施の劇団員同士の言い争いに腹を立て、
「いいかげんにしろ
と、布施が持っていたグラスをテーブルに激しく叩きつけます。
・ 泥酔の団員を起こそうとしていた
劇団員女性(当時24歳)の右目の横に
グラスの破片が当たり大量出血させてしまいます。
救急車で搬送され、
30針の縫合を要する重傷を負わせてしまいます。
・ 当時、週間文春が、“泥酔傷害騒動”として報じましたが、
翌平成11年1月に布施が会見を開き暴行を否定します。
劇団員女性には「誠意をもって対処していきたい」と謝罪し、
両者は和解したかに思われていました。
・ 2003年(平成15年)8月、
元劇団員女性は布施を相手取り、
今も残る傷跡によって
「女優を断念せざるを得なくなった」
として、
損害賠償3768万円を求める民事訴訟を起こしました。
・ 布施側は、
「治療費や東京で治療中の家賃など約600万円を支払っており、
補償は十分である」
ことを強調します。
・ 両者の主張は平行線をたどり、
口頭弁論は準備手続きも含め、合計11回に及びました。
・ 一審の東京地裁(綿引万里子裁判長)は
2004年12月24日、
布施被告に対し、799万5022円の支払いを命じる
判決を言い渡しました。
・ 傍聴席には被害を受けた原告女性も姿を見せ、
判決に聞き入っていました。
布施は裁判を欠席しています。
・ 綿引裁判長は、
「飛び散った破片で周囲の人を傷つける危険が容易に予想できたのに、
グラスをテーブルにたたきつけた」
「布施に重大な過失があった」
と断定しました。
・ 当時、
「布施が女性に対して暴力をふるった」
と記事を書いた週刊文春に対して、布施は
「事実誤認で、名誉毀損で訴える」
と息巻いていましたが、文春側は
「布施くん、裁判所で会おう」
と余裕しゃくしゃくで受けていました。
同誌は串焼き屋でのウラを早々に取材していました。
・ 布施は、記事の書き方に不満タラタラでしたが、
結局文春との訴訟を回避します。
週刊文春の記事の書き方に不満があっても、
実際に布施の割ったグラスの破片で女性が傷ついたのですから、
「布施の責任」は発生するのは当然であり、
「暴力」とする記事は本質的には間違いではないのです。
裁判所もこの判決で、そう認めたわけです。
・ 元劇団員女性は、
この「約800万円の支払い命令」を不服として、
直ちに控訴審の申請手続きに入りました。
・ 2005年(平成17年)4月27日、
控訴審の東京高裁(雛形要松裁判長)は、
一審の約800万円の支払い命令を
全面的に指示した判決を言い渡します。
・ 二審の雛形裁判長は、
「座ったままテーブルにたたきつけただけで、過失は重大ではない」
とする布施側の主張を退けるとともに、
「布施には傷害の未必の故意があった」
とした女性側の主張も認めない判断を下しました。
・ 控訴審判決当日、
原告女性は白いコート姿にサングラスで傍聴席に現れました。
負傷した部分を前髪で隠すようにしていたそうです。
・ 「被告は原告に対し799万5022円を支払え」
という原告側の主張が認められた形の判決主文を確認すると、
原告女性は足早に法廷を後にしたそうです。
原告からすると主張が認められなかったのですから、
敗訴も同然で納得できない心情だったと思われます。
・ 原告の女性は、報道陣の取材に対しては
「お話しできません」
とだけ語り、今後の対応についても
「ノーコメント」
とだけ言い残して、裁判所を後にしました。
・ 布施は、またしても出廷せず、
弁護士だけが判決を聞きにやってきました。
「報道陣の取材や暴力事件の蒸し返しがイメージを悪くする」
という判断です。
ま、当然ですよね。
・ 布施の所属事務所は
「(判決が)妥当かどうかも含め、
すべて先生(弁護士)の判断にお任せしています。
本人からのコメントはありません」
と語り、現在に至っています。
裁判は「公開」である以上、
いろいろなことが次々に公にされるので、
特に有名人や芸能人は
マスメディアに全国に報道されますから「損」ですね。
島田紳助も民事訴訟を起こされる前に早く「和解」しないと、
彼の粗暴な面が公にされ、
今度こそ“芸能界引退”につながると思います。
布施博が万年脇役から主役級へのきっかけとなった作品
NHK連続テレビ小説「君の名は」
(平成3年4月1日〜平成4年4月4日放送)
主な出演:鈴木京香、倉田てつを、布施博、いしだあゆみ
昭和27年に、ラジオドラマや映画で人気を博したものを
テレビ小説にリメークしたもので、
ヒロインの真知子役は鈴木京香でした。
昭和27年には佐田啓二が春樹役をやったことで、
その息子である中井貴一にやらせようとしたNHK側に
中井が難色を示すなど、
当初から不振続きで脚本家の途中交代劇などもあって、
1年間も続く長いストーリーでもあり、
視聴率29.1%と、
それまでの連続テレビ小説30%以上を初めて割り込んだ
“迷作”となってしまうのでした。
布施は、中井貴一が断ったことで、転がり込んできた大役でした。
布施博の事件のあった1998年とは、こんな年でした!
事件
・ 和歌山「毒入りカレー事件」
・ 冬季オリンピックが長野で開催される
・ 参院選で自民党惨敗、小渕内閣誕生
・ 北朝鮮のミサイル脅威、テポドン三陸沖に着弾
・ 映画監督・黒澤明死去
芸能
・ 郷ひろみ・二谷友理恵が離婚
・ 広末涼子が早稲田大学に入学
スポーツ
・ 長野冬季五輪で、清水宏保、スキー・ジャンプ団体、
モーグル・里谷多英が金メダル
・ Jリーグの中田英寿がペルージャへ移籍
話題の商品
・ 映画「タイタニック」
・ iMAC(PC、アップル)
・ 麒麟淡麗
・ ポストペット(メールソフト)
・ Windows98
・ 桃の天然水
音楽
・ 誘惑(GLAY)
・ 夜空ノムコウ(SMAP)
・ 長い間(Kiroro)
・ 全部抱きしめて/青の時代(Kiki Kids)
・ my graduation(SPEED)
・ HONEY(ラルク・アン・シェル)
テレビ
・ 徳川慶喜(NHK大河ドラマ)
・ 眠れる森(木村拓哉・中山美穂)
・ 踊る大捜査線(織田裕二・柳葉敏郎)
・ HANA‐BI(北野武監督)
・ リング(松島奈々子・真田広之)
・ らせん(佐藤浩市・中谷美紀)
本
・ 新・人間革命(池田大作)
・ ダディ(郷ひろみ)
・ ループ(鈴木光司)
雑誌
・ YOKOHAMA Walker
・ LUCi
・ 日経ヘルス
・ メイプル
・ Mobile

