もはや見慣れてしまった感のある“家”を失った、
あの「ホームレス(路上生活者)」のことです。

ふだん何気なく「ホームレス」を見ても
「別世界の人たち」だと思っていましたが、
もしかしたら私の知人が“仲間入り”した可能性があり、
厳冬期を迎え関心を持つようになりました。
その知人も「離婚」「失業」という
「ホームレスの必要十分条件」を満たしていました。
彼は当初タクシー会社の社宅に入ることを考えたのですが、
「4人相部屋」ということが気に入らないようで
「社宅での個室」をあてがってもらえる就職先を探していたのです。
一般企業で、「採用後直ちに社宅に入居させる」というのは“異例”で、
水商売やタクシー、地方での採用など特殊な場合に限定されるのです。
そういう状況を知って見放すのも可哀相なので、
沖縄で就職活動をするように、カミさんの許可を得て
我が家の1部屋を“提供”したことがあるのですが、
彼は1ヶ月も持たずに
「こんな所にいてもしょうがない」
「監獄のようだ」
と言って、あてもなく東京に出て行ってしまったのです。
彼は童話でいう「キリギリス」的な生き方なので、
仮に年末ジャンボ宝くじで3億円が当たっても、
散財癖で数年で無くなってしまうかもしれません。
一度「ホームレス」になると、
一般の生活環境に“生還”するのが、極めて難しくなります。
ふだん当たり前のように生活している
「屋根付きの家+回線電話」から一旦外れてしまうと、
就職活動をする上に於いて、
「連絡先がない」という問題に直面するのです。
履歴書には氏名・生年月日・年齢・住所・電話番号・職歴・経歴など
様々な項目を書きますが、
“連絡先”や“自宅電話”があやふやになると、
ふつうはそれだけで「不採用」にされてしまい、
まず通常の就業の道が閉ざされてしまうのです。
「生きる」という観点からすれば、水・トイレは公園にあるし、
食べものも飽食の時代なので、
コンビニやファーストフード店の賞味期限切れ食品を始め、
飲食店などの残飯等で何とかなっているのです。
その証拠に、ホームレスの死者は
「餓死」より病気や寒さでの方が多いのです。
不況に伴う失業、リストラなどにより
全国的にホームレスが増加傾向にあり、
厚生労働省が2年前に行った調査によると、
平成15年1月末のホームレスの数は全国で2万5,296人でした。
前年比1,206人の増加ですが、この調査は正確ではないのです。
地方(痴呆?)公務員としての就業時間である平日の日中に、担当者が
・ 公園
・ 河川敷
・ 道路
・ 駅舎
・ その他施設
など、生活している場所(=寝ぐら)を中心に(アバウトで)調べたので、
実際には活動中で不在の「ホームレス」も多く、
「実数は2〜3割は多い」と言われていますから、
2年前で全国に約3万人はいたことになります。
調査から2年経った現在では、もっと増えていることでしょう。
「3万人」という数字は、
・1つの町村人口
・ 平成15年2月1日現在での養護施設児が3万416人
・ 毎年「乳がん」「くも膜下出血と脳腫瘍」「結核」「食中毒」
にかかる患者数
・ 「はりきゅう師」資格登録者数
・ 「社会保険労務士」資格登録者数
・ 不法入国し潜伏している外国人
・ 「横浜スタジアム」「坊ちゃんスタジアム(松山市)」の収容人員
に匹敵し、見過ごせない社会現象になっているのです。
市町村の多くは「保護・支援」より
“厄介者”として「締め出し」の意向でいるようです。
平成15年1月末のホームレスの調査結果
・ 全国のホームレスの数 2万5,296人
・ ホームレスが生活している場所
公園 40.8%
河川敷 23.3%
道路 17.2%
駅舎 5.0%
その他施設 13.7%
・ホームレスの平均年齢 55.9歳
「55〜59才」が 23.4%
「50〜54才」が 22.0%
「60〜64才」が 20.3%
・路上生活の形態
生活している場所が定まっている者が84.1%
・直近のホームレスになってからの期間は、
「1年未満」 30.7%
「1年以上3年未満」25.6%
「3年以上5年未満」19.7%
「5年以上」 24.0%
5年未満が全体の76%を占めています。
・ホームレスの64.7%が何らかの仕事をしており、
その主な内訳は「廃品回収」が73.3%。
・平均的な収入月額は、、
「1万円以上3万円未満」35.2%
「3万円以上5万円未満」18.9%
・路上生活の直前の職業
建設関係の仕事 55.2%
製造業関係の仕事 10.5%
・路上生活までの雇用形態は、
「常勤職員・従業員(正社員)」39.8%
「日雇」が36.1%
・路上生活に至った理由
「仕事が減った」35.6%
「倒産・失業」 32.9%
「病気・けが・高齢で仕事ができなくなった」18.8%
・健康状態身体の不調を訴えている者47.4%で、
このうち治療等を受けていない者が68.4%
・福祉制度等の利用状況
これまでに福祉事務所へ相談に行ったことのある者33.1%
緊急的な一時宿泊所であるシェルターの利用を希望する者38.7%
自立支援センターの利用を希望する者38.9%
これまでに生活保護を受給したことのある者24.5%
・これまでに何らかの支援を受けたことのある者が全体の72.9%であり、
その主な内容は、
「炊き出し」 62.7%、
「衣類や毛布の配布」56.5%
となっています。
平成15年1月末 都道府県別のホームレスの数ランキング
(カッコ内は、平成14年の人数、増減)
第1位 大阪府
男性4,565人、女性104人、不明3,088人、合計7,757人
(9,462人、△1,705人)
第2位 東京都
男性6,174人、女性187人、不明0人、合計6,361人
(5,712人、+649人)
第3位 愛知県
男性1,984人、女性78人、不明59人、合計2,121人
(1,714人、+407人)
第4位 神奈川県
男性1,782人、女性37人、不明109人、合計1,928人
(2,032人、△104人)
第5位 福岡県
男性1,024人、女性81人、不明82人、合計1,187人
(670人、+517人)
第6位 兵庫県
男性716人、女性34人、不明197人、合計947人
(678人、+269人)
第7位 埼玉県
男性735人、女性25人、不明69人、合計829人
(627人、+202人)
第8位 千葉県
男性610人、女性25人、不明33人、合計668人
(594人、+74人)
第9位 京都府
男性580人、女性20人、不明60人、合計660人
(510人、+150人)
第10位 静岡県
男性393人、女性33人、不明39人、合計465人
(369人、+96人)
第11位 広島県
男性221人、女性10人、不明0人、合計231人
(271人、△40人)
第12位 宮城県
男性208人、女性11人、不明3人、合計222人
(144人、+78人)
第13位 沖縄県
男性130人、女性7人、不明21人、合計158人
(122人、+36人)
第14位 北海道
男性112人、女性7人、不明23人、合計142人
(80人、+62人)
第15位 栃木県
男性126人、女性5人、不明3人、合計134人
(120人、+14人)
第16位 茨城県
男性115人、女性12人、不明3人、合計130人
(73人、+57人)
第17位 熊本県
男性115人、女性9人、不明0人、合計124人
(36人、+88人)
第18位 和歌山県
男性80人、女性9人、不明1人、合計90人
(51人、+39人)
第19位 群馬県
男性81人、女性3人、不明3人、合計87人
(75人、+12人)
第20位 岐阜県
男性59人、女性5人、不明22人、合計86人
(28人、+58人)
第21位 愛媛県
男性36人、女性5人、不明44人、合計85人
(114人、△29人)
第22位 鹿児島県
男 性71人、女性3人、不明6人、合計80人
(64人、+16人)
第23位 新潟県
男性70人、女性4人、不明0人、合計74人
(64人、+10人)
第24位 岡山県
男性58人、女性3人、不明4人、合計65人
(22人、+43人)
第25位 滋賀県
男性57人、女性0人、不明0人、合計57人
(20人、+37人)
第26位 山梨県
男性46人、女性0人、不明5人、合計51人
(28人、+23人)
第27位 香川県
男性42人、女性4人、不明0人、合計46人
(95人、△49人)
第27位 三重県
男性39人、女性7人、不明0人、合計46人
(34人、+12人)
第29位 福島県
男性39人、女性0人、不明4人、合計43人
(15人、+28人)
第30位 長崎県
男性41人、女性0人、不明0人、合計41人
(34人、+7人)
第30位 佐賀県
男性38人、女性3人、不明0人、合計41人
(23人、+18人)
第32位 大分県
男性34人、女性5人、不明0人、合計39人
(24人、+15人)
第33位 長野県
男性35人、女性1人、不明1人、合計37人
(34人、+3人)
第34位 山口県
男性30人、女性2人、不明1人、合計33人
(12人、+21人)
第35位 福井県
男性24人、女性0人、不明0人、合計24人
(10人、+14人)
第35位 山形県
男性20人、女性3人、不明1人、合計24人
(8人、+16人)
第35位 富山県
男性22人、女性1人、不明1人、合計24人
(1人、+23人)
第38位 高知県
男性22人、女性1人、不明0人、合計23人
(3人、+20人)
第39位 石川県
男性22人、女性0人、不明0人、合計22人
(56人、△34人)
第39位 宮崎県
男性16人、女性2人、不明4人、合計22人
(29人、△7人)
第41位 岩手県
男性16人、女性2人、不明0人、合計18人
(6人、+12人)
第42位 青森県
男性16人、女性0人、不明0人、合計16人
(3人、+13人)
第43位 奈良県
男性14人、女性0人、不明0人、合計14人
(4人、+10人)
第43位 徳島県
男性14人、女性0人、不明0人、合計14人
(1人、+13人)
第45位 鳥取県
男性12人、女性1人、不明0人、合計13人
(11人、+2人)
第45位 秋田県
男性13人、女性0人、不明0人、合計13人
(7人、+6人)
第47位 島根県
男性4人、女性0人、不明0人、合計4人
(0人、+4人)
平成15年1月末の全国合計
男性2万661人、女性749人、不明3,886人、
合計2万5,296人(前年2万4,090人、前年比+1,206人)
ホームレスの多い市区BEST8(平成15年1月末)
第1位 大阪市 6,603人
第2位 東京都23区 5,927人
第3位 名古屋市 1,788人
第4位 川崎市 829人
第5位 京都市 624人
第6位 福岡市 607人
第7位 横浜市 470人
第8位 北九州市 421人
やはり都市部に集中しています。
沖縄県の「ホームレス」158人は、
亜熱帯気候の恩恵で着る物が薄着でOKですし、
コンビニやファーストフード店も多く、
農地では夏は果樹、冬は野菜が豊富で
“あびる的”調達は随時可能ですから、
本土に比較して生活しやすいはずです。
「158人」という数字が多いか少ないかより、
沖縄が九州と陸続きだったら、もっと人数的には多いはずです。
次回は、「ホームレス」の生業を中心に書きたいと思います。
【ホームレスの社会経済学の最新記事】

